前回の記事では、LD・ASDの子を育てる中での夫婦の協力体制についてお話ししました。しかし、特性のある子に手をかける分、どうしても発生するのが、**他のきょうだいへの「不公平感」**という、最もデリケートな問題です。
今回は、私たちが直面したきょうだい児たちの**「リアルなSOS」**、そして「完璧なケア」を諦め、**無理のない範囲で「個別対応」**を続けている実態を正直にお話しします。
1. きょうだい児の心のSOS:わが家の壁に残る「愛のサイン」
LDやASDの兄妹がいるわが家では、特性のないきょうだいも、それぞれ異なる方法でSOSを発信していました。
長女:壁に残された「鼻くその塔」
長女は小さいころ、ストレスからか、とにかく鼻くそをそこら中の壁につけていました。これは親の関心を得るための最も切実なSOSだったのでしょう。
気づくと壁に鼻くその塔ができ、あまりにつけられている場所が多すぎて、いまだに各所に乾燥した鼻くそのコロニーが存在しています。おばあちゃんの家などではほとんど行うことがなかったため、やはり家庭内でのストレスが原因だったと推測しています。
■ 現在の対応
私たちはできるだけ長女の趣味や、やりたいことを受容する方向で話などをしています。効果があったかは分かりませんが、最近ようやく鼻くそをつけることはなくなりました。しかし、以前お話ししたように、自室にひきこもることも増えており、引き続き彼女の心の距離感を尊重しながら見守る必要があります。
三男:寂しさを紛らわす「タオルの執着」
三男は、なかなか抱っこしてもらえない寂しさを紛らわすかのように、寝るときは常にタオルを口に入れる時期がありました。これは、彼にとっての**「心の安定剤」**だったと感じています。
4歳になるくらいには口に入れる行為自体はなくなりましたが、今でもタオルに執着しており、タオルにくるまれていると落ち着くようです。
次女:末っ子の切実な要求
次女は末っ子なのに赤ちゃん返りをしているのか、最近ずっと**「ばぶーばぶー」**言って寝転がり、抱っこを要求してきます。
これは、日中、特性のある兄たちに親の時間が割かれている分、せめて親を独占したいという彼女の切実な要求です。私たちにできることは、この切実な要求を受け入れ、抱っこで応えることしかありません。
2. 「不公平感」への戦略:無理のない範囲の個別対応
私たちは、きょうだいのSOSに対し、「全員に同じ時間を与える」という形式的な平等を諦めました。もともと**「完璧」という考え方が苦手というか、嫌いなのですが、この育児ではそもそも不可能**です。
LDやASDの子の特性対応に時間を使うことは、他のきょうだいを悲しませる不平等ではありません。それは**「家族全員の安全と心の安定」**のために必要な、戦略的なリソース配分だと割り切ることにしました。
その代わり、個別のSOSに対し、無理のない範囲で対応しています。
| きょうだいのSOS | 私たちの「無理のない」個別対応 |
| 長女の孤立 | おばあちゃんの家への**「一人っ子時間」の提供**と、本人の趣味を尊重する。 |
| 三男の寂しさ | タオルへの執着や、兄との喧嘩の**「たくましさ」を認める**。 |
| 次女の独占欲 | 「ばぶー」には必ず抱っこで応えるなど、物理的な愛情を増やす。 |
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まとめ:親が「完璧」を諦めることで、子どもはたくましくなる
長男・次男に手がかかるのは事実ですが、他のきょうだいはこの環境で、それぞれの方法で「生き抜く力」を身につけています。子供たちの適応能力は本当にすごいんだなと、日々感じています。
私たちが学んだことは、「完璧な親」になることを諦め、「自分は愛されている」ときょうだいに伝わる関わり方を、無理のない範囲で継続することです。私たち夫婦が心身を壊さず続けることこそが、子どもたちの成長を支える最大の土台なのです。そして、親もそれによって少しずつでも成長できるのかもしれませんね。
次の記事予告
これで、連載で予定していた「家族のシステム」に関する主要なテーマは全てお話ししました。次回の記事では、これまでの連載全体を振り返り、**「LD・ASDを持つ子を育ててわかったこと」**を総括します。
特に、診断を受けて変わった親の意識、そして家族の未来について、改めてお話しさせてください。
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